お問い合わせ ボタン

入札とは

ABOUT BIDDING

入札とは?これを読めば解決!官公庁や地方自治体の入札について経験者が解説。

組合に参加をご検討している企業様必見!一般競争入札の流れを分かりやすく具体的に徹底解説します!

官公庁や地方自治体が民間の企業と契約を結ぶ際、選定プロセスの基本となる契約方法は「入札」です。「入札」の主要な目的は、誰もが公平に参加できる競争の機会を提供することです。「入札」を実施することで、公共機関は契約相手を公平に選定し、価格競争を通じて経済的な利益を最大化できます。

中央政府機関や地方自治体が仕事を発注する場合、その資金は納税者から提供される税金によっています。このため、税金の無駄遣いを防ぐためにも、入札制度は合理的な選択と言えます。

入札の種類

入札に参加する際、まずは異なる入札の種類を理解することが必要です。入札の種類に応じてアプローチが異なりますので、種類を把握しておきましょう。

入札には大まかに以下の3つの種類があります。

一般競争入札

公告やウェブサイトなどを通じて幅広く提案者を募り、競争を通じて契約者を選定する方式です。この方法は最も一般的で、参加資格を持つ企業すべてが入札に参加できます。

実績のない企業でも参加可能なため、官公庁の仕事を初めて受注したい企業にとって、実績を積み上げるスタート地点として有益です。

指名競争入札

指名競争入札は、官公庁があらかじめ選定した企業にのみ入札に参加資格を与える方式です。そのため、指名されない限り、どれだけ希望しても入札に参加することはできません。

過去の同様なプロジェクトや他の自治体での実績などを基に、企業が指名されるため、一般競争入札に比べて参加のハードルが高く、初めて入札に参加しようとする企業にとっては難易度が高いと言えます。

随意契約

随意契約は、発注者が特定の企業を選び、入札を実施せずに直接契約を締結する方式です。

金額が比較的小さい場合や競争入札で適切な入札者が見つからない場合に使用されます。公平性と透明性の観点から、最近は随意契約が許容されることはまれになっています。

一般競争入札の手順を確認しましょう

官公庁の仕事実績がない企業は、最初に一般競争入札に参加することが一般的です。実績を積み上げるスタート地点として、一般競争入札の流れを理解してみましょう。

  • 事業者登録

    一般競争入札に参加するには、まず事業者登録が必要です。登録には大きく2つのタイプがあります。

    中央省庁(国)関連業務:
    これについては、全ての中央省庁の案件への参加資格を一度に取得できる統一資格があります。
    地方自治体(都道府県・市区町村):
    各自治体ごとに異なる個別の事業者登録が必要です。

    どんな規模や営業年数、官公庁業務の実績があろうと、どの企業でも登録が可能です。登録料は通常無料で、電子入札の場合、ICカードとICカードリーダーを購入すれば参加できます。

    中央省庁に関しては、一度の手続きで全ての中央省庁の案件への参加資格が取得できますが、地方自治体に関しては、各自治体ごとに登録方法が異なります。
    最近では、オンライン登録を導入している自治体も増えており、東京都や神奈川県などがその一例です。高度経済成長期には官公庁業務が主に紙の書類での申請と紙入札で行われていましたが、国民の多様なニーズに合わせて、工事以外の案件の数と予算が増加しています。このため、業務の効率化を図るために電子申請や電子入札への移行が進んでいます。

    地方自治体の事業者登録申請手続きのタイミングと期間についても理解しておくことが重要です。

    定期申請:
    通常、2年に1回行われ、原則的に2月ごろに実施されます。
    随時(臨時)申請:
    年度内の適切な時期に随時行われます。

    定期申請と随時申請のどちらも、受付期間が設定されているため、期限を見逃さないように気をつけましょう。通常、登録は2年間有効で、その後再度申請が必要となります。

  • 入札の公告を見逃さない

    入札に参加するためには、まず自社が参加できる入札案件に関する情報を収集する必要があります。国や省庁、地方自治体が公表している入札公告を見逃さないだけでなく、自社に適した案件を見つけることが肝要です。

    案件情報を見つけるために、主に以下の2つの方法があります。

    各行政機関のウェブサイトで個別に検索:
    方自治体や関連団体も含め、各行政機関のウェブサイトで不定期に公開されます。手動で探す場合は多くの時間と人的リソースが必要であり、見逃す可能性もあります。
    入札情報サイトを活用:
    入札情報サイトの利用は費用がかかるかもしれませんが、スタッフを割けない企業や、効率的に情報を収集したい企業におすすめです。
  • 入札説明会への積極参加

    入札に参加する際、入札に関連する資料を入手する必要があります。特定の案件では、入札説明会で情報が提供されたり、説明会への参加が要求されることもあります。

    また、自社の入札価格を決定するためにも見積もり情報が必要です。入札説明会には必ず参加し、疑問点を明らかにしましょう。

  • 必要な入札書類の準備

    異なる案件には異なる入札書類が必要となることがあります。要件を満たさない場合、不備がある場合、入札への参加が許可されない可能性があります。入札説明書などを詳細に確認し、必要な書類が何であるかを確認し、不足しないように準備しましょう。

  • 入札価格の決定

    入札価格を決める際には、注意が必要です。価格をあまりにも低く設定すると、最低制限価格に達しない場合は不合格となり、価格が低すぎると収益が得られないことも考えられます。価格の設定には慎重に検討が必要です。

  • 落札

    入札の結果、落札者が決まります。落札者の選定方法は通常2つあります。

    最低価格落札方式:
    この方法では、予定価格の制限範囲内で指定の価格を提示した入札者が落札者となります。後で予定価格について説明しますが、予定価格の制限内で最低価格を提出した企業が契約を締結する権利を得ます。
    総合評価落札方式:
    この方法では、予め公表された評価基準に従って、価格以外の要素と入札価格から評価点を算出し、落札者を決定します。価格以外の要素は案件に応じて異なり、技術力、地域貢献、独創性、リスクマネジメントなどが考慮されます。
  • 契約

    落札者が確定すると、契約が締結されます。契約書案の内容に基づいて契約が行われますが、契約内容を変更したい場合は、事前に各自治体に相談することをお勧めします。契約締結前に契約書案の内容を確認し、必要な変更や調整を行うことが重要です。

一般競争入札に勝つためのポイント

一般競争入札で成功するためには、以下のポイントを押さえておく必要があります。

ポイント①: 入札仕様書に対する質問と回答

入札に参加する際には、必要書類を準備するだけでなく、仕様書に対して質問をし、明確な回答を得ることが重要です。仕様書に不備や曖昧な表現がある場合、質問を通じて仕様書を修正することができるかもしれません。仕様書を注意深く読み、不明点があれば確認しましょう。質問は通常、メールやファックスでも受け付けられ、特定の受付期間が定められています。

ポイント②: 入札価格の見極め

入札価格を適切に設定するために、以下の5つのステップに従いましょう。

  • 概算を見積もる

    入札文書や入札説明書、仕様書を注意深く読み、入札説明会に出席し、不明点を解決します。情報収集のために複数の人が協力することが望ましいです。必要な情報を確定し、値引きなしの概算を計算します。外部の協力業者に見積もりを依頼する場合、迅速に行うことが重要です。

  • 予定価格を予測

    予定価格は最も重要かつ難しい部分です。各自治体で決められた予定価格の範囲内でなければ契約が成立しません。予定価格は非開示であるため、予測の精度が重要です。情報源は国や自治体が公開する「予算」に関する資料で、過去の予算から傾向を予測します。当年度の予算が分からない場合、予算編成方針や前年度の予算を確認し、予測します。

  • 競合他社の価格を調査

    過去の3〜5年の競合他社の入札価格を確認し、各年度の競合他社の入札率を計算します。競合他社の応札率は、予算に対する競合他社の応札価格の比率を指します。

  • 最低制限価格を予測

    最低制限価格は予定価格の下限を示し、国の場合は予定価格の約60%、自治体の場合は類似案件の入札結果から予測します。

  • 自社の入札価格を設定

    予定価格、競合他社の応札価格、最低制限価格を考慮して、自社の入札価格を設定します。競合がない場合や入札が不調な場合を想定し、入札価格を複数のパターンで設定しておくことが良いでしょう。

まとめ

いかがでしょうか?国や地方自治体とのビジネスは、公平かつ公正な競争に基づくプロセスで、企業にとって重要な機会です。公共の契約を獲得することは、企業にとって安定的な収益源となり、社会的信用やブランド価値の向上にもつながります。

また、公共の契約を通じて地域や国の発展に貢献することは、企業の社会的責任の一環としても重要です。このような競争のプロセスは、公平さ、透明さ、そして公共資金の適切な使用を確保するために欠かせないものです。

新たな参入者や競合者が加わることで、サービスの質や効率が向上し、市場全体にプラスの影響を及ぼします。したがって、国や地方自治体とのビジネスに参入し、公正な競争を通じて社会に貢献することは、多くの企業にとって魅力的な機会となります。