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官公庁入札組合ノウハウ
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説明会=資料もらって終わりじゃない!競争入札で有利になる参加姿勢とは?
2025.11.07入札説明会は「受け身」で終わっていませんか?
競争入札において、入札説明会は「単なる資料配布の場」と捉えられがちです。しかし、実際には説明会での立ち振る舞いや、現地での空気の読み取り方によって、案件への理解度や信頼性に差がつく場面も少なくありません。
本記事では、官公庁や自治体の入札説明会に参加する際、単なる「出席」ではなく「活用」につなげるためのポイントを紹介します。
- 説明会は“情報戦”。資料の裏にある温度感を読み取ろう
説明会資料ではわからない「行間」を感じ取る
入札説明会では、配布資料に加えて、担当者からの口頭説明が行われます。ここで重要なのは、「言外の意図」や「トーンの違い」に注目することです。
たとえば、仕様書には明記されていないものの、
- 特定の工程に重きを置いている
- スケジュールに強いこだわりがある
- 過去にトラブルがあったため、ある点を強調している
といった「暗黙のニュアンス」を読み取れることがあります。
質問への回答から“優先順位”が見える
説明会の終盤に設けられる質疑応答の時間も貴重です。他社がどの点に疑問を持っているか、自社の質問がどのように受け止められるかを見ることで、案件への理解が一段と深まります。
特に、担当者が強調して答えた内容は、仕様書上は平等でも「重視してほしい点」である可能性が高いため、提案書の中でさりげなくフォローしておくと好印象です。
- 会場の“空気感”が発注者のスタンスを教えてくれる
参加者数・構成から「競争の激しさ」を読む
説明会の参加者数や企業の顔ぶれも、有益なヒントになります。
- 少人数なら「公募に対する関心が低い」
- 大手企業の参加が多ければ「競争激化」
- 明らかに未経験そうな企業が多いなら「発注側が間口を広げている」
といった分析が可能です。
これは仕様書や公告だけでは分からない「生の情報」です。
担当者の説明態度にも注目
説明中に担当者が資料に沿って淡々と話すのか、あるいは補足や苦労話を交えて話すのか。その差は、案件に対する“思い入れ”や“問題意識”の表れです。
特に自治体案件などでは、「市民の声を反映したい」「地域貢献の視点を大事にしたい」といった価値観が、資料に載らない形でにじみ出ることもあります。
- 「ただ出席」ではもったいない!参加記録と質疑の活用法
説明会の参加自体が“意欲の表明”になることも
官公庁によっては、説明会の参加が任意となっている場合もあります。しかし、発注者側からすれば、
- 実際に会場へ足を運んだ
- 質問を通じて内容を咀嚼しようとした
- 他の参加者の意見も含めて誠実に向き合っている
という姿勢は、少なからず“意欲”として評価されます。特に、プロポーザル案件などでは、説明会への積極的な参加が後の信頼形成につながるケースも。
説明会で得た“布石”が、質疑応答や提案書に活きる
たとえば、「説明会で担当者が◯◯を強調していた」という情報を踏まえて質疑応答で質問を組み立てると、精度が格段に高まります。
また、提案書において「説明会での情報を踏まえ、◯◯に重点を置いて設計しました」と一文添えることで、発注者との“認識の一致”をアピールすることができます。
説明会で見えるものは、資料以上の価値がある
競争入札では、全社が同じ土俵に立ちます。仕様書も、提出期限も、審査基準も公平に設定されます。しかし、その中で「一歩抜きん出る」ためのチャンスが、説明会には隠れています。
説明会は単なる手続きではありません。
資料の読み込み、質問の工夫、現場の空気感の把握、参加記録の活用――。
これらを通じて、発注者との“距離感”をほんの少し縮めることができれば、それは入札での評価において大きな差となって表れるかもしれません。
まとめ:説明会は“行く価値がある”
最後に、説明会を最大限活用するためのチェックリストを紹介します。
- 事前に仕様書を読み、質問を1つでも用意しておく
- 会場での配布資料・発言を丁寧にメモする
- 担当者の言い回しや表情から重視点を読み取る
- 他社の参加状況を観察し、競合を予測する
- 後日提出する提案書や質問に説明会の内容を反映する
資料をもらって「ふむふむ」で終わっていた説明会が、
情報収集と信頼構築の“起点”になれば、競争入札における勝率もグッと高まります。