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官公需と中小企業の受注機会を拡大するための国の取り組み

2024.09.13

官公需と中小企業の受注機会を拡大するための国の取り組み

基本方針の概要

官公需法とは

官公需法とは、「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律」の略称です。この法律は、平成41年に制定され、国及び地方自治体が中小企業者から物品や工事、サービスを調達する際の基本的なルールを定めています。官公需とは、国や地方自治体が行う調達活動のことを指し、中小企業にとっては取引機会を増やすための重要な枠組みとなっています。

基本方針の重要性

国の基本方針は、官公需において中小企業者の受注機会を増大するために設定される指針です。この基本方針は、中小企業・小規模事業者向けの契約目標や新規事業者向けの契約目標などが含まれており、各年度ごとに閣議決定されます。令和6年4月19日に閣議決定された「令和6年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」では、目標として中小企業・小規模事業者向け契約目標が61%、新規中小企業者向け契約目標が3%以上と定められています。これらの目標は、中小企業の成長を促進し、経済全体の発展につながるため非常に重要です。

過去の基本方針とその変遷

基本方針は、毎年度の経済状況や中小企業のニーズに応じて改訂されています。例えば、令和5年4月25日に閣議決定された「令和5年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」では、中小企業・小規模事業者向け契約目標を同じく61%、新規中小企業者向け契約目標を3%以上とし、スタートアップ向けの公募手続の電子化推進や新技術・新サービスの情報提供促進が強調されています。さらに、地域の具体的施策として前倒し発注の推進や自然災害や新型コロナウイルスの影響を受けた企業への配慮も示されています。これらの変遷は、常に中小企業のニーズに柔軟に対応し、より良い経済環境を構築するためのものであります。

中小企業の受注機会を増大させる具体的な取り組み

基本方針に基づく政策

令和6年度の「中小企業者に関する国等の契約の基本方針」は、令和6年4月19日に閣議決定されました。この方針は、中小企業や小規模事業者の受注機会を積極的に拡大し、契約目標を61%に定めています。また、新規中小企業者向けの契約目標も設定されており、これを3%以上としています。このような目標を掲げることで、政府は官公需の発注に際して中小企業にとって有利な環境を整える努力を続けています。

具体的な政策として、スタートアップ企業を支援するための公募手続の電子化が進められています。新技術や新サービスの情報提供も強化され、中小企業が持つ独自技術やサービスが官公需に反映されやすい環境を整えています。これにより、中小企業者が新たな市場参入の機会を得るだけでなく、持続可能な経営基盤を築くことが期待されています。

官公需適格組合の活用

官公需適格組合制度は、中小企業が共同で受注するための重要な仕組みです。この制度を活用することで、規模の小さい中小企業でも国や地方自治体からの大規模な発注を受けやすくなります。官公需適格組合として認定されるためには、中小企業庁による証明が必要です。

具体的には、複数の中小企業が資源を共有し、コストを削減しながら高品質のサービスや製品を提供することが可能になります。これにより、競争力を持つことができ、官公需の受注機会が広がることが期待されています。組合を通じた共同受注は、単独では対応が難しい大型案件にも対応できるため、より多くの中小企業にとって有利な状況が生まれます。

地方自治体の取り組み事例

地方自治体も中小企業の受注機会を拡大するための具体的な施策を実施しています。例えば、神奈川県や大阪府では、地域の中小企業向けの契約目標をそれぞれ設定し、65%という高い目標を掲げています。

これらの自治体は、地域特性を生かした前倒し発注の推進や、自然災害や新型コロナウイルスの影響を受けた企業への配慮を行っています。また、大阪府では、物価高騰に対応するための賃上げ支援も行われており、これが中小企業の経営安定に寄与しています。

これにより、地方自治体と密接に連携することができ、地域に根ざした中小企業の成長と発展が期待されています。今後も各地域での取り組みが広がることで、全国各地の中小企業が持続的に発展することが重要です。

成果と課題

取り組みの成果

官公需の取り組みを進めることで、中小企業の受注機会が大幅に拡大されてきました。具体的には、「令和5年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」に基づき、中小企業・小規模事業者向け契約目標が61%と設定され、その実現が具体的な成果となっています。また、新規中小企業者向けの契約目標も3%以上に設定され、新しい参入機会の提供が進められてきました。さらに、スタートアップ向けの公募手続きの電子化推進や新技術・新サービスの情報提供などの施策も、官公需を通じて中小企業の発展を支援しています。

現状の課題と今後の展望

一方で、まだまだ多くの課題が残されています。特に、中小企業が官公需に参加する際のハードルが高いと感じる企業も少なくありません。例えば、入札のプロセスが複雑であることや、契約の条件が厳しいことが問題視されています。これに対して、もっと簡素な手続きや支援体制の強化が求められています。さらに、地域ごとの取り組みも不均一であり、例えば大阪府では契約目標が65%と高い一方、他の地域ではまだ目標達成が難しい場合も見られます。 今後の展望としては、「令和6年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」が閣議決定され、新たな目標や施策が示されることが期待されます。特に、令和6年能登半島地震の被災地域への配慮や、物価高に対する賃上げ実現への取り組みなど、具体的な支援策が今後も継続して実施されることが望まれます。これにより、中小企業の受注機会がさらに増大し、地域経済が活性化することが期待されています。

まとめ

今後の方向性

今後の方向性としては、国の基本方針に基づき、中小企業者の受注機会をさらに拡大するための取り組みが強化されることが予想されます。具体的には、令和6年度においても「中小企業者に関する国等の契約の基本方針」が閣議決定され、目標の達成に向けた新たな施策が導入される見通しです。中小企業者向けの契約目標は引き続き61%を維持しつつ、令和6年能登半島地震の被災地域への配慮も重点的に行われます。

さらに、官公需適格組合制度を活用した中小企業の共同受注の推進や、スタートアップ企業向けの公募手続の電子化などが進められます。これにより、受注プロセスの効率化と透明性の向上が期待されます。また、物価高や自然災害の影響を最小限に抑えるための支援策も重要な位置づけとなります。

中小企業へのメッセージ

中小企業の皆様にとって、官公需とは非常に重要な取引機会です。令和6年度の国の基本方針により、受注機会が拡大されることが期待されるため、積極的に情報を収集し、準備を進めることが大切となります。特に、新技術や新サービスを提供する企業は、これらの機会を活用することで大きな成長が見込めます。

政府は、皆様の受注機会を増大するための各種施策を推進しています。大阪府では65%という高い契約目標を掲げており、各地域でもさまざまな取り組みが行われています。これらの機会を最大限に活用し、事業の発展に寄与してください。

中小企業庁の取引課長 鮫島さんが担当者として皆様の支援にあたっていますので、何か疑問や不安があれば気軽に問い合わせてみてください。そのための連絡先も提供されています。官公需による受注がさらに増えることで、中小企業の持続的な成長と地域経済の活性化に繋がることを心より期待しています。